連絡帳の書き方|放課後等デイサービス・児童発達支援の書く順番、ケガと保護者対応の文例12本
連絡帳は、保護者が毎日目にする事業所からのいちばん身近な文章です。送迎前に何人分も書くので決まり文句になりやすい一方、保護者にとってはわが子がそこでどう過ごしたかを知る、ほとんど唯一の手がかりです。
この記事では、放課後等デイサービス・児童発達支援の連絡帳について、書く順番・「楽しく過ごしました」の置き換え方・ケガとトラブルの伝え方・保護者の書き込みへの返し方・忙しい日の書き方を、NG→OK文例12本つきでまとめます。
※様式や運用は自治体・事業所によって異なります。事業所のマニュアルと指定権者の指示に合わせてください。文例の場面はすべて架空です。
1. 連絡帳と支援記録は「読む人」が違う
| 支援記録 | 連絡帳 | |
|---|---|---|
| 読む人 | 事業所の職員(運営指導でも読まれる) | 保護者 |
| 目的 | 支援とその結果を正確に残す | 場面が浮かぶ形で様子を届け、家庭の様子を受け取る |
| 書き方 | 事実を短く、目標と同じ単位で | 保護者が読んで安心できる言葉で、場面を1つ |
同じ場面でも、こう書き分けます。
支援記録:おやつ前の手洗い。順番カードを見せると、声かけなしで前の2人が終わるまで並んで待った。
連絡帳:おやつ前の手洗いで、順番カードを見ながら、前のお友だち2人が終わるまで並んで待つことができました。自分の番になると、職員の顔を見てにっこりしていました。
2. 基本の型は「事実→様子→対応→お願い」
| 順番 | 書くこと |
|---|---|
| ①事実 | いつ・どの活動で・何をしたか。時刻や回数など数字が入れば入れる |
| ②本人の様子 | そのときの表情・言葉・その後の様子 |
| ③事業所での対応 | 職員がしたこと、これからすること |
| ④家庭へのお願い | 家で見てほしいこと、教えてほしいこと |
よかったことを伝える日は①と②だけで十分です。③と④は、ケガ・トラブル・体調など、保護者が「どうしたの?」と気になる内容のときに足します。順番が決まっていると、書く人が変わっても形がそろいます。
3. 「楽しく過ごしました」を置き換える3つのコツ
- 場面を1つに絞る:1日の全部を書こうとしない
- 本人の言葉や動きを入れる:言ったことは「」で、したことは動作で
- 前との違いを書く:先週や前回と比べて変わったところが、いちばんの報告になる
NG自由遊びでは、楽しく過ごしました。
OK自由遊びでは(電車のレール)をつなげて、部屋の端から端まで線路を作りました。途中で足りなくなると職員のところに来て「もっとちょうだい」と伝えてくれました。
NG工作には参加できませんでした。
OK(工作)の時間は、はじめは少し離れた席からお友だちの様子を見ていました。(のりで紙を貼る)場面になると近くの席に移り、職員と一緒に(2枚)貼ることができました。
NG今日はとてもがんばりました。
OK帰りの支度で、先週までは職員と一緒に入れていた(連絡帳と水筒)を、今日は自分でかばんに入れることができました。「全部入った?」と聞くと、かばんの中を見せて「入った」と答えていました。
何をがんばったのかが分かって初めて、保護者は家で本人をほめられます。
4. 気になる場面は「立て直せたところ」まで書く
泣いた、活動に向かえなかった、という場面も伝えたほうがよいことです。ただ書き方しだいで、保護者は不安になったり、責められているように感じたりします。きっかけ(分かる範囲の事実)→本人の様子→職員の関わり→どう立て直せたかの順で書くと、読み終えたときの印象が変わります。
NG今日は機嫌が悪く、泣いてばかりで大変でした。
OK(おやつのあと)、好きな(パズル)の時間が終わると床に座り込んで泣いていました。職員がそばに座り、タイマーを見せながら「次は(ブロック)だよ」と伝えると、5分ほどで立ち上がり、自分でブロックの箱を取りに行きました。そのあとは笑顔も見られ、帰りまで落ち着いて過ごしています。
NG宿題をやろうとしませんでした。
OK宿題の(漢字の書き取り)は、2行書いたところで鉛筆を置き「つかれた」と話しました。10分休んだあと(音読)に切り替えると最後まで読むことができました。書き取りの残りは持ち帰っていますので、ご家庭のご都合に合わせて進めてください。
連絡帳に書かないことも決めておきます。ほかの子どもの名前(「お友だち」と書く)、評価や決めつけの言葉(わがまま・困った・言うことを聞かない)、原因の推測(家で何かあったのかも)、職員の困りごと(面談や電話で話す)です。
5. ケガ・トラブルは5点をそろえる
避けたいのは、保護者が家で気づいて初めて知ることと、ぼかした書き方で後から話が食い違うことです。
| 入れること | 内容 |
|---|---|
| 事実 | 時刻、場所、何をしていて、体のどこを、どのくらい(大きさ・赤み・腫れ) |
| 処置 | 洗った、冷やした、ばんそうこうを貼った。したことだけ。原因の見立てや受診の要否は書かない |
| その後の様子 | 痛がっていたか、活動に戻れたか、お迎え時の様子 |
| おわびと今後 | 事業所内のケガは、防げなかったことへのおわびと、変えたこと |
| 家庭へのお願い | 帰宅後に見てほしいこと |
頭や顔のケガ、受診したケガ、相手のいるケガは、先に電話やお迎え時に口頭で伝え、連絡帳には経過を残します。事故として記録・報告が必要かどうかは、事業所のマニュアルと指定権者の案内に従ってください。
NG少しぶつけましたが、大丈夫です。
OK(15時40分)ごろ、おやつ前の手洗いに向かう途中、廊下の曲がり角で転び、(左の手のひら)を擦りむきました(1cmほど)。すぐに流水で洗い、ばんそうこうを貼りました。その後は痛がる様子はなく、おやつも普段どおり食べています。職員がそばにいながら防げず、申し訳ありません。手洗いへの移動は少人数ずつ声をかけて行うようにしました。ご帰宅後、痛がる様子があればお知らせください。
NGBくんとけんかになり、Bくんを押してしまいました。
OK片づけの時間に、自分で作った(ブロックの家)がお友だちの手に当たって崩れたとき、お友だちの肩を押す場面がありました。お友だちにけがはありません。職員と別の部屋で少し休むと「こわれて悲しかった」と話し、そのあと自分からお友だちに「ごめんね」と伝えています。作ったものを帰りまで置いておける棚を用意しました。
相手の名前は書きません。書くのは本人がしたこと、気持ち、立て直したところです。相手の保護者への連絡は別に行います。
6. 保護者の書き込みには「受け止め→事実→これから→次の連絡」
(保護者:最近、家で宿題をすごくいやがります。そちらではどうですか。)
NGこちらでは取り組めています。様子を見ていきます。
OK教えてくださり、ありがとうございます。事業所では宿題は(おやつのあと)に取り組んでいます。この2週間は、(音読)はすぐに始められますが、(漢字の書き取り)になると手が止まることが多いです。明日から書き取りを(5文字ずつ)区切り、終わるたびに丸をつける形を試してみます。様子は連絡帳でお知らせします。
(保護者:上着が見当たりません。確認してもらえていますか。)
NG事業所ではお預かりしていないと思います。
OKご心配をおかけして申し訳ありません。(10月2日)の来所時に(紺色の上着)を着ていたことは、職員(2名)で確認しています。事業所内と送迎車を探しましたが、まだ見つかっていません。明日も引き続き探し、結果を連絡帳でお知らせします。今後は帰りの支度のときに、上着をかばんに入れたかを職員が確認します。
「様子を見ます」だけでは、保護者は何を待てばいいのか分かりません。苦情に近い内容や誤解されやすいことは電話や面談で話し、連絡帳には「本日お電話でお伝えしたとおり〜」と要点を1行残します。
7. 毎日同じ文にしない仕組み
- 個別支援計画の目標に関わる場面を選ぶ:目標に「順番を待つ」があれば、待てた場面を書く
- 曜日で中身を回す:月曜は活動、水曜は生活(おやつ・身支度)、金曜は1週間でできたこと
- 本人の言葉を1つメモしておく:書き出しがすぐ決まる
- 保護者の書き込みに触れる:「お家で練習している(ボタン)、今日は2つ自分で留めていました」
8. 忙しい日は3行と決める
| 行 | 書くこと |
|---|---|
| 1行目 | 今日の活動(事実) |
| 2行目 | 本人の様子(1つの場面を、言葉か数字で) |
| 3行目 | 家庭へのひとこと(お願いがあればお願い) |
NG今日も元気に過ごしました。
OK今日は(公園)に出かけ、(すべり台)と(砂場)で遊びました。すべり台は(8回)すべり、最後は「もう1回だけ」と自分で決めて終わりにできました。靴の中に砂が入っているかもしれませんので、ご帰宅後にご確認ください。
送る前に、ほかの子どもの名前・評価の言葉・原因の推測が入っていないかだけ見直します。
まとめ
- 連絡帳は保護者が読む文章。支援記録とは目的が違う
- 書く順番は「事実→様子→対応→お願い」。よい日は事実と様子だけで十分
- 「楽しく過ごしました」は、場面を1つに絞り、本人の言葉と前との違いで置き換える
- 気になる場面は、評価の言葉を使わず「立て直せたところ」まで書く
- ケガ・トラブルは「事実・処置・その後・おわびと今後・お願い」をそろえ、相手の名前は書かない
- 保護者の書き込みには「受け止め→事実→これから→次の連絡」の順で返す
よくある質問
連絡帳は支援記録の代わりになりますか?
連絡帳は国が様式を決めている書類ではなく、形や使い方は事業所ごとに違います。支援の記録や保護者の確認との関係は、事業所のマニュアルと指定権者の案内に合わせてください。
ケガはどこまで連絡帳に書けばいいですか?
時刻・場所・部位・大きさ・処置・その後の様子を書きます。原因の見立てや受診が必要かどうかの判断は書きません。頭や顔のケガ、受診したケガ、相手のいるケガは、先に電話やお迎え時に口頭で伝え、連絡帳にはその経過を残します。
毎日同じ文になってしまいます。
1日の全部を書こうとせず、個別支援計画の目標に関わる場面を1つ選んで、本人の言葉か数字を1つ入れます。曜日で書く中身(活動・生活・1週間の変化)を回すのも有効です。