個別支援計画の書き方|放デイ・児発の項目・目標・支援内容の文例(令和6年度改定対応)

公開 2026年9月26日 カテゴリ: 放デイ・児発

個別支援計画は、児童発達支援管理責任者(児発管)が書く書類の中で、いちばん時間がかかり、いちばん運営指導で見られる書類です。しかも令和6年度の報酬改定で、書く項目が増えました。

この記事では、「何を書くか」「どの順番で作るか」「目標と支援内容をどう書くか」を1本にまとめます。文例は、そのまま計画書に写して、( )の中だけ書き換えれば使える形にしてあります。

※様式は自治体・事業所によって異なります。最終的には指定権者(都道府県・市)の様式と指示に合わせてください。

1. まず、いまの様式に「この3つの欄」があるか確認する

令和6年度の改定後、個別支援計画に書く項目は次のとおりです。

項目何を書くか
本人の意向・保護者の意向本人と保護者、それぞれの言葉で
総合的な支援の方針計画全体で何を大事にするか
長期目標・短期目標達成時期は最長6か月後まで
支援内容本人支援・家族支援・移行支援は必ず。地域支援・地域連携は必要に応じて
5領域との関連5領域のすべてと関連付けられるように
インクルージョンの観点地域の子どもと過ごす機会などをどう考えるか
支援の標準的な提供時間等曜日・頻度・時間帯
優先順位本人支援の目標の順位

改定前の様式を使い続けている事業所で抜けやすいのは、「5領域との関連」「インクルージョンの観点」「支援の標準的な提供時間等」の3つです。欄そのものがなければ、まず様式を直すところから始めます。

5領域は「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5つです。5領域ごとに別々の目標を立てる必要はありません。1つの目標が複数の領域に関わるのは自然なことで、どの目標がどの領域とつながっているかが読み取れれば足ります。

2. 作る順番は6段階。日付は「同意→開始」の順

順番すること残す記録
1アセスメント(保護者・本人への面接)アセスメントシート・面談記録
2原案の作成(児発管が中心)計画の原案
3担当者等会議会議の記録(日時・参加者・検討内容)
4保護者への説明と文書での同意説明日・同意日・署名
5交付(保護者と相談支援事業所へ)交付日
6モニタリング(少なくとも6か月に1回)モニタリング報告書

令和6年度から、相談支援事業所への交付も必要になりました。保護者に渡す分と一緒に、相談支援事業所の分を用意しておくと漏れません。

日付で最も多い指摘は、同意日が計画期間の開始日より後になっているケースです。説明日・同意日は、開始日と同じ日か、それより前にします。後になると、その間は「計画がないまま支援していた」と見なされるおそれがあります。

3. 目標は「行動」「場面」「回数」の3点で書く

目標が毎回似た文になる原因は、たいてい「様子」を書いているからです。行動・場面・回数の3点がそろうと、誰が読んでも同じ姿が浮かび、6か月後に達成したかどうかを判断できます。

NG落ち着いて活動に参加できる

OK活動の切り替えのときに、声かけ1回で次の活動に移ることができる

NG友達と仲良く遊ぶ

OK自由遊びの時間に、使いたいおもちゃを「貸して」と言葉で伝えることができる(週3回以上)

NG身の回りのことを自分でする

OK帰りの支度(連絡帳・水筒・上着をかばんに入れる)を、手順カードを見ながら声かけ1回以内で終えることができる

支援内容も同じです。「見守る」「声かけをする」だけでは、担当が替わったときに引き継げません。職員が何を、いつ、どうするかまで書きます。

NG切り替えができるよう見守る

OK活動の終わり5分前にタイマーを本人に見せ、鳴ったら「次は(工作)」と1回だけ声をかける。移れないときは次の活動の道具を机に置いて待つ

4. 5領域×年齢別の目標と支援内容の文例

( )の中は、お子さんに合わせて書き換えてください。未就学は児童発達支援、小学生・中高生は放課後等デイサービスを想定しています。

健康・生活

運動・感覚

認知・行動

言語・コミュニケーション

人間関係・社会性

5. 意向欄を「特になし」にしないための聞き方

「何かご希望はありますか」と聞くと、多くの保護者は「特にありません」と答えます。希望がないのではなく、聞かれ方が広すぎるのです。次のように場面を区切って聞くと、書ける言葉が出てきます。

答えは、できるだけ保護者の言葉のまま書きます。

NG保護者の意向:身辺自立を進めてほしい。

OK保護者の意向:「朝の着替えに時間がかかって、毎朝バタバタしている。上着のボタンだけでも自分でできるようになってほしい」(母)

本人の意向は、言葉で答えられないお子さんでも「好きな活動」「嫌がる場面」を職員が観察した事実として書き、「本人の様子から」と添えます。

6. 期限切れは減算に直結する

個別支援計画が作られていない、または期限が切れたまま支援していると、個別支援計画未作成減算の対象になります。

減算は、計画のないお子さんの分にかかります。忙しい時期に1人分の見直しが遅れるだけで起こるので、作成日から6か月後の期限を一覧表で管理し、期限の1か月前にモニタリングと面談の予定を入れておくのが確実です。

7. 提出前のチェックリスト

まとめ

よくある質問

5領域ごとに目標を1つずつ立てないといけませんか?

いいえ。1つの目標が複数の領域に関わるのは自然なことで、計画全体で5領域とのつながりが読み取れれば足ります。目標ごとに「主に関連する領域」を1つ添えておくと、関連付けが一目で分かります。

保護者の同意は、計画期間が始まってからでも大丈夫ですか?

説明と同意は、計画期間の開始日と同じ日か、それより前に済ませます。開始日より後になると、その間は計画がない状態で支援していたと見なされるおそれがあります。

個別支援計画は誰が作りますか?ほかの職員が下書きしてもいいですか?

作成の責任者は児童発達支援管理責任者(児発管)です。ほかの職員が情報を集めたり下書きをしたりすることは問題ありませんが、児発管が実際に関わって作った計画であることが必要です。

見直しはどのくらいの間隔で必要ですか?

少なくとも6か月に1回、モニタリングで実施状況を確認して見直します。目標の達成時期も最長6か月後までに設定します。

個別支援計画児発管5領域放課後等デイサービス児童発達支援